2020年12月18日金曜日

富士みかん(富士市農業協同組合)の口コミ・効果とエビデンス:機能性表示食品

富士市農業協同組合が消費者庁に届出た機能性表示食品富士みかんのエビデンス(科学的根拠)


富士市農業協同組合が消費者庁に届出た機能性表示食品【富士みかん】のエビデンス。口コミ評判ではありません。効果等は科学的な根拠に基づいています。届出番号・届出日・届出者名・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・会社の評判・成分の評判・表示しようとする機能性・当該製品が想定する主な対象者・安全性の評価方法・安全性に関する届出者の評価・摂取する上での注意事項・生産・製造及び品質管理に関する基本情報・機能性の評価方法・製品の機能性に関する届出者の評価を紹介します。
千葉一敏先生(薬剤師・サプリメントアドバイザー)による、届出のあった機能性表示食品の注目ポイントを判り易く解説です。

動画で見る機能性表示食品と成分の解説一覧(動画)

機能性表示食品制度が始まってから届出た商品の一覧を紹介しています。
会社別・年度別にまとめてありますので、ご利用ください。

機能性表示食品まとめ一覧

富士市農業協同組合

【届出番号】
F605

【届出日】
2020/11/06

【届出者名】
富士市農業協同組合
クリックすると楽天市場の検索結果が表示されます。

【商品名】
富士みかん

【食品の区分】
生鮮食品

【機能性関与成分名】
β‐クリプトキサンチン
クリックすると楽天市場の検索結果が表示されます。

【表示しようとする機能性】

本品には、β‐クリプトキサンチンが含まれています。
β‐クリプトキサンチンは骨代謝のはたらきを助けることにより、骨の健康維持に役立つことが報告されています。

【想定する主な対象者】
健康な成人男女

【安全性の評価方法】
喫食実績の評価により、十分な安全性を確認している。

【安全性に関する届出者の評価】
【食経験の評価】
当該製品は、ウンシュウミカンである。ウンシュウミカンは、全国規模で極めて長い期間の喫食実績があり、海外の先進国においても30年以上の喫食実績があることから、その安全性は自明である。
【喫食実績の内容】
ウンシュウミカンは、日本原産で、中国から渡来したかんきつから500~600年前に偶発的に発生したと考えられており、300年以上前に鹿児島県で発見されて以来、老若男女を問わず、広く親しまれてきた日本の果物の代表格である。
国内においては冬期を中心に9月から翌年3月頃までに全国流通しており、ほとんどが手軽に生食されている。一度に食べれられている量は1個から数個で、統計調査の結果によると、ウンシュウミカンは年間約80万トン出荷されており、日本人は、一人当たり年間4kg程度を消費している。(平成25年)
また年間3千トン程(平成26年)が海外に輸出されており、とりわけ、カナダ向けでは30年以上の長い輸出実績があることからクリスマスシーズンのテーブルオレンジとして定着し、多くの人に喫食されている。
【参考文献】
山崎耕宇、久保祐雄、西尾俊彦、石原邦監修(2004)『新編 農学大事典』養賢堂
梶浦一郎(2008)『日本果物史年表』養賢堂
『果樹生産出荷統計』農林水産省、『家計調査』総務省、『貿易統計』財務省

【摂取する上での注意事項】
多量に摂取することにより、より健康が増進されるものではありません。

【生産・製造・品質管理に関する基本情報】
《衛生管理・安全性の確保》富士市農業協同組合が生産・出荷するウンシュウミカンは、適正な生産環境の確保・適正な防除、生産履歴の記録・保管・点検、残留農薬の分析等を実施しています。《生産段階における均質性の確保・高品質生産の管理体制》富士市農業協同組合では、生産者代表によって組織される柑橘部会にて協議した年間防除基準、施肥基準暦をベースにした統一栽培を実施し、品質の均一化を図り、平成29年に導入した集出荷施設(柑橘選果場)の選果システムによる生産者ごとの品質(大きさ・糖度・酸度・色・傷など)の情報を基に当組合員の指導員が栽培指導を実施する体制としています。この体制により、全ほ場での均質性の確保及び高品質なウンシュウミカンの生産に取り組んでいます。《選果・選別段階における生成管理体制》柑橘選果場の選果ラインでは、熟練したスタッフによる外観の選別(腐敗・生傷・規格外果の除去)、光センサーによる糖度・酸度による選別、腐敗・生傷センサーによる選別、外観カメラによる大きさ・着色・傷果の選別、熟練したスタッフによる最終確認等、あらゆる観点からの確認を行い、規格に合致するウンシュウミカンを出荷しています。なお、β-クリプトキサンチンは、独立行政法人等の試験・研究機関の研究により、糖度と高い相関関係があることが知られている成分のため、糖度が一定基準より低いウンシュウミカンを規格外品として除去することにより、機能性表示の対象となる商品の含有量を担保しています。

【機能性の評価方法】
最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。

【届出者の評価(エビデンス)】
【標題】
β-クリプトキサンチンを多く含むウンシュウミカンの継続摂取による、骨の維持に対するシステマティックレビュー
【目的】
β-クリプトキサンチンを多く含むウンシュウミカンの継続摂取による、骨の維持に対する機能を明らかにする。
【背景】
骨の健康は、古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」のバランスの上に成り立っている。しかし、老化、生活習慣の要因、女性の閉経によるホルモンバランスの変化等が原因となって「骨吸収」が「骨形成」を上回った場合、骨塩量や骨の物理的強度が低下して、やがては骨粗しょう症へと進展する。ウンシュウミカンの摂取によりヒトの体内に取り込まれたβ-クリプトキサンチンは、骨芽細胞増殖因子を刺激し骨芽細胞の増殖と分化を促進して石灰化を増進させ、また、骨吸収促進因子による破骨細胞への分化、形成を抑制させることにより、骨量の減少を抑えると考えられている。
【レビュー対象とした研究の特性】
PubMed,JDreamⅢ、医中誌に掲載された日本語、英語の論文のうち、健常者においてウンシュウミカン由来のβ-クリプトキサンチンの摂取による骨代謝マーカーへの影響を報告した査読付き群間比較試験に関する論文を検索・抽出し、効果の有無や「研究の質」により仕分けを行った。最終的に3報について試験デザイン対象者の特性、機能性関与成分の摂取量や摂取期間に関する情報を抽出し、系統的にレビューした。
【主な結果】
132名(男性29名、女性103名)の健常者に対する3報の群間比較試験を分析した結果β-クリプトキサンチンを1日0.3~6㎎、2~3カ月摂取することで、骨代謝マーカーの変化(骨形成マーカーの上昇と骨吸収マーカーの低下)が確認され、β-クリプトキサンチンの継続摂取は、骨の健康維持に有効であると考えられた。
【科学的根拠の質】
βークリプトキサンチンについて、調査したところ、臨床試験の報告が非常に少なく、本研究レビューでは3報のみが採択された。全ての論文において、βークリプトキサンチンの0.3~6.0mg/日、4週から12週間の摂取により骨形成マーカー値が上昇することが確認されたが、このうち2報においては、一部のマーカーのみの有意な変化であったためその摂取量は限定的と考えられた。最も多くの代謝マーカーで有意差が確認された水準は、1報のみで3.0と6.0mg/日であった。そのため今後、βークリプトキサンチンと骨に関して、更なる臨床研究が進むことが期待される。

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