2018年8月27日月曜日

ウエイトン 葛の花(ジェイフロンティア株式会社)の口コミ・効果とエビデンス:機能性表示食品


ジェイフロンティア株式会社(法人番号:9011001063340)が消費者庁に届出た機能性表示食品【ウエイトン 葛の花】の届出番号・届出日・届出者名・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・会社の評判・成分の評判・表示しようとする機能性・当該製品が想定する主な対象者・安全性の評価方法・安全性に関する届出者の評価・摂取する上での注意事項・生産・製造及び品質管理に関する基本情報・機能性の評価方法・製品の機能性に関する届出者の評価を紹介します。
目 次
平成30年度一覧
平成29年度一覧
平成28年度届出
B1-B50 B51-B100 B101-B150 B151-B200 B201-B250 B251-B300 B301-B400 B401-B500 B501-B600 B601-B620
平成27年度届出
A1-A50  A51-A100 A101-A150 A151-A200 A201-A250 A251-A300 A301-A310

【届出番号】
D52
【届出日】
2018/06/29
【届出者名】
ジェイフロンティア株式会社
ジェイフロンティア株式会社の商品一覧楽天市場
【商品名】
ウエイトン 葛の花
ウエイトン 葛の花楽天市場
【食品の区分】
加工食品(サプリメント形状)
【機能性関与成分名】
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)
葛の花由来イソフラボンを含む商品一覧楽天市場

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【表示しようとする機能性】
本品には、葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)が含まれます。葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)には、肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを助ける機能があることが報告されています。肥満気味な方、BMIが高めの方、肥満気味でお腹の脂肪やウエスト周囲径が気になる方に適した食品です。
【想定する主な対象者】
肥満気味な方、BMIが高めの方、肥満気味でお腹の脂肪やウエスト周囲径が気になる方
【安全性の評価方法】
既存情報による安全性試験結果の評価により、十分な安全性を確認している。
【安全性に関する届出者の評価】
1.食経験
葛の花は、香港等において1950年代からお茶として飲用されてきた。

2.既存情報の調査
本品の機能性関与成分を含む原材料「葛の花抽出物」を本品と同程度配合する特定保健用食品において、食品安全委員会により安全性に問題はないと判断されている。
なお、葛の花由来イソフラボンの一種であるテクトリゲニンは、弱いながらも、女性ホルモンと同じ働き(以下、エストロゲン様作用という)を有し、弱い変異原性(突然変異を引き起こす性質)を持つことが報告されている。
また、本品の機能性関与成分を含む原材料 「葛の花抽出物」について、以下の安全性試験が実施されている。
1)急性毒性及び亜慢性毒性の評価
急性毒性試験、亜慢性毒性試験を行った結果、葛の花抽出物の投与による異常は認められなかった。
2)遺伝毒性の評価
細菌、ほ乳類培養細胞及びげっ歯類を用いた変異原性試験を行った結果、葛の花抽出物は生体内では遺伝毒性を示さないと考えられた。
3)エストロゲン様作用の評価
葛の花抽出物及びテクトリゲニンのエストロゲン様作用を評価した結果、葛の花抽出物は生体内でエストロゲン様作用を発揮しないと考えられた。
4)ヒト安全性試験
ヒトを対象とした12週間の長期摂取試験及び4週間の過剰摂取試験を行った結果、葛の花抽出物の摂取に起因する有害事象の発現は認められなかった。

3.医薬品との相互作用
データベース及び文献調査の結果、医薬品との相互作用に関する報告はなかった。

4.まとめ
以上より、本品の機能性関与成分「葛の花由来イソフラボン」を含む原材料である「葛の花抽出物」は、安全性に懸念はないと考えられた。なお、葛の花抽出物以外の原材料は、本品の配合量においては安全性に問題ないと考えられるため、適切に摂取する上で安全性に懸念はないと考えられる。
【摂取する上での注意事項】
多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。また、妊娠中の方あるいは妊娠の可能性のある方は医師に相談してください。
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【生産・製造・品質管理に関する基本情報】
[製造所1]株式会社東洋新薬 鳥栖工場●GMP:認証取得 (NSF-GMP、日健栄協GMP)●ISO22000:認証取得[製造所2]日成興産株式会社 本社工場●GMP:認証取得 (日健栄協GMP)
【機能性の評価方法】
最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
【届出者の評価】
1.標題
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)の摂取が腹部脂肪、体重、胴囲に及ぼす影響

2.目的
健常者において、葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)を摂取すると、プラセボ(偽薬)摂取時と比較して、腹部脂肪面積、体重、胴囲が減少するか検証することを目的とした。

3.背景
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)の経口摂取が、腹部脂肪面積、体重、胴囲を減少させるとの報告があり、そのヒト試験結果を総合的に評価するため、システマティックレビューを実施した。

4.レビュー対象とした研究の特性
健常者(特定保健用食品用の試験方法に準じ、肥満Ⅰ度(BMIが25以上30未満)の者を含む)における葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)の経口摂取が腹部脂肪、体重、胴囲に及ぼす影響に関する研究(日本語、英語問わない)を検索対象とした。内容を精査し、4研究を評価対象とした。なお、4研究は、全て日本で実施された信頼性の高いヒト試験であった。著者として葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)の関連者(製造又は販売を行う企業社員等)が含まれており、利益相反の問題が認められた。
 
5.主な結果
4研究における対象者は30~100例で、摂取期間は4~12週、葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)の一日摂取量は11.0~124.8 mgであった。
メタアナリシスを実施した結果、出版バイアス(※)は検出されず、腹部脂肪面積、体重、胴囲の有意な減少が認められた。また、葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)の摂取による、副作用等の健康被害はなかった。なお、葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)の摂取量として124.8 mgの研究もあったが、主たる摂取量は22.0~42.0 mgであった。
さらに、肥満症に罹患していないと明確に判断できる者のみの解析結果では、被験者数が少ないため一部の指標(体重、胴囲)で統計的に有意ではなかったが、前述の全体解析の結果と比較して葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類)の効果が明らかに減弱する結果ではなかった。
※出版バイアス:肯定的な研究結果がそうでない研究結果に比べて出版されやすいために起こる結果の偏りのこと。メタアナリシスによって視覚化、検出できる。

6.科学的根拠の質
葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)は、主として22.0~42.0 mg/日の摂取により、腹部脂肪面積、体重、胴囲を減少させることが示唆された。
ただし本研究には、研究計画は事前登録されておらず、利益相反の問題も存在する可能性があり、バイアスの混入は否定できない。また、12週間以上摂取した場合の影響は不明である。安全性については、別の切り口の評価が必要である。


機能性表示食品は、平成27年度から始まった制度です。

ギャバケール(株式会社増田採種場)の口コミ・効果とエビデンス:機能性表示食品


株式会社増田採種場(法人番号:6080401016202)が消費者庁に届出た機能性表示食品【GABA(ギャバ)ケール】の届出番号・届出日・届出者名・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・会社の評判・成分の評判・表示しようとする機能性・当該製品が想定する主な対象者・安全性の評価方法・安全性に関する届出者の評価・摂取する上での注意事項・生産・製造及び品質管理に関する基本情報・機能性の評価方法・製品の機能性に関する届出者の評価を紹介します。
目 次
平成30年度一覧
平成29年度一覧
平成28年度届出
B1-B50 B51-B100 B101-B150 B151-B200 B201-B250 B251-B300 B301-B400 B401-B500 B501-B600 B601-B620
平成27年度届出
A1-A50  A51-A100 A101-A150 A151-A200 A201-A250 A251-A300 A301-A310

【届出番号】
D51
【届出日】
2018/06/28
【届出者名】
株式会社増田採種場
株式会社増田採種場の商品一覧楽天市場
【商品名】
GABA(ギャバ)ケール
GABAケール楽天市場
【食品の区分】
加工食品(その他)
【機能性関与成分名】
GABA
GABAを含む商品一覧楽天市場

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【表示しようとする機能性】
本品にはGABAが含まれます。GABAには血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています。
【想定する主な対象者】
血圧が高めの方
【安全性の評価方法】
既存情報による安全性試験結果の評価により、十分な安全性を確認している。
【安全性に関する届出者の評価】
本製品の原材料であるケールは、地中海沿岸を原産地とし古くから食用として利用されている。我が国にケールが伝わったのは江戸時代であるとの記載があり、戦後、青汁の材料として広く利用されるようになり、現在では全国で年間2,000トン以上が生産されている。
また、本製品の機能性関与成分であるGABA(γ-aminobutyric acid、γ-アミノ酪酸)は、野菜や果物、穀物などに多く含まれることが知られているが、その他にも、緑茶葉を窒素ガス下で処理したギャバロン茶や、ぬか漬けなどにも含まれている(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所『「健康食品」の安全性・有効性情報』より)。この様にGABAは日常の食生活において通常摂取している食品成分である。さらにGABAは、特定保健用食品の関与成分として使用されており、粉末緑茶、緑茶飲料、乳酸菌飲料、タブレットなどの複数の食品形態で販売され(一日摂取目安量あたりのGABA配合量;10~20 mg)、安全性について問題がないとの判断がなされており、現在までに、GABAによる重篤な健康被害は報告されていない。
当該届出食品「GABA(ギャバ)ケール」は、国産(静岡県産)ケールのみを原料とする粉末飲料で、機能性関与成分であるGABAを、一日当たりの摂取目安量として12.3 mg含有する食品である。届出者は当該食品と同じ原材料を使用した同等品である「旬搾り青汁ケール」(機能性関与成分であるGABAの含有量:12.3 mg/一日当たりの推奨摂取量)を、平成26年~平成28年までの3年間に約450 kg全国販売してきた実績があり、その間、「旬搾り青汁ケール」の摂取による健康被害は報告されていない。
さらに、GABAの安全性に関しての研究報告をデータベースで検索したところ各安全性試験において、被験者は一日10~100 mgのGABAを7~180日間摂取しているが、重篤な有害事象は報告されなかった。なお、GABAは基原によらず一定の性状を持つものであることから、各安全性試験で用いられたGABAと当該届出食品に含まれるGABAは同等であると判断できる。
以上のことから、機能性関与成分GABAを配合した当該届出食品の安全性に問題はないと考えられる。
【摂取する上での注意事項】
●降圧薬を服用している方や食事制限を受けている方は、医師、薬剤師にご相談の上お召し上がりください。
●自然素材を原料としているため、色・風味等がバラつくことがありますが、品質には全く問題ありません。
●本品は、溶けにくく舌に残るものがありますが、原料由来の成分ですので、安心してお召し上がりください。
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【生産・製造・品質管理に関する基本情報】
当該商品の原材料は、自社(届出者)が公益財団法人自然農法国際研究開発センターのJASの生産方法に準拠してケールを生産し、この規格を満たしたもののみを選別して使用している。加工工程については、株式会社浜松ベジタブルで微粉末に加工し、住岡食品株式会社(浜北工場)もしくはイーエスフーズ株式会社(浜松工場)で造粒、分包され、株式会社オールライフサービスで箱詰めされる。浜松ベジタブルでは自社基準による衛生管理マニュアル、住岡食品株式会社(浜北工場)およびイーエスフーズ株式会社(浜松工場)は国内GMP、株式会社オールライフサービスは自社基準による衛生管理マニュアルに、それぞれ基づいた製造加工を実施している。
【機能性の評価方法】
最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
【届出者の評価】
【標題】
 GABAの血圧低下作用についての研究レビュー
【目的】
 GABAを含む食品を健常者(正常血圧者および正常高値血圧者)およびⅠ度高血圧者が摂取することにより、血圧低下作用が見られるかを検討することを目的とした。
【背景】
 GABAの血圧低下作用については多数の研究成果が報告されている。そこで、GABA摂取による血圧低下作用について、メタアナリシスによる研究レビューを実施した。
【研究レビュー対象とした研究の特性】
2017年7月13日に、2017年7月までに公表された論文を対象に、健常者(正常血圧者および正常高値血圧者)およびⅠ度高血圧者を研究対象とした試験(ただし、未成年者、妊産婦及び授乳婦は除く)で、GABAの摂取による血圧低下作用を評価したものについて検討した。最終的に12報の論文を採用し評価を行った。
【主な結果】
 GABAを含む食品を健常者(正常血圧者および正常高値血圧者)およびⅠ度高血圧者が摂取した結果、対照食品摂取時と比較して、血圧の有意な低下が認められた。また健常者のみで評価した場合には、正常高値血圧者では血圧低下作用が認められ、正常血圧者に対しては正常な血圧が維持された。
【科学的根拠の質】
 研究の限界としては、有効性が示されなかった研究が公表されていない可能性があげられるが、評価した全ての論文のバイアスリスクは低く、科学的根拠の質は確保されていると評価した。本研究レビューの結果からGABAの血圧低下作用には科学的根拠があると判断した。


機能性表示食品は、平成27年度から始まった制度です。

チョコラBBリッチ・セラミド(エーザイ株式会社)の口コミ・効果とエビデンス:機能性表示食品


エーザイ株式会社(法人番号:6010001000001)が消費者庁に届出た機能性表示食品【チョコラBB(ビービー)リッチ・セラミド】の届出番号・届出日・届出者名・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・会社の評判・成分の評判・表示しようとする機能性・当該製品が想定する主な対象者・安全性の評価方法・安全性に関する届出者の評価・摂取する上での注意事項・生産・製造及び品質管理に関する基本情報・機能性の評価方法・製品の機能性に関する届出者の評価を紹介します。
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平成30年度一覧
平成29年度一覧
平成28年度届出
B1-B50 B51-B100 B101-B150 B151-B200 B201-B250 B251-B300 B301-B400 B401-B500 B501-B600 B601-B620
平成27年度届出
A1-A50  A51-A100 A101-A150 A151-A200 A201-A250 A251-A300 A301-A310

【届出番号】
D50
【届出日】
2018/06/28
【届出者名】
エーザイ株式会社
エーザイ株式会社の商品一覧楽天市場
【商品名】
チョコラBB(ビービー)リッチ・セラミド
チョコラBBリッチ・セラミド楽天市場
【食品の区分】
加工食品(サプリメント形状)
【機能性関与成分名】
米由来グルコシルセラミド
米由来グルコシルセラミドを含む商品一覧楽天市場

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【表示しようとする機能性】
本品には米由来グルコシルセラミドが含まれます。米由来グルコシルセラミドは、肌のバリア機能(保湿力)を高めることが報告されています。肌の乾燥が気になる方に適した食品です。
【想定する主な対象者】
肌の乾燥が気になる方
【安全性の評価方法】
既存情報による安全性試験結果の評価により、十分な安全性を確認している。
【安全性に関する届出者の評価】
1.喫食実績による食経験  本品と内容液・容量が同一の「チョコラBBリッチセラミド」を全国で約340万本(2016年10月~2017年11月)出荷している。健康被害の報告はないが、喫食実績としての期間は不十分であると考える。
2.既存情報を用いた食経験及び安全性試験の評価結果  本品の原材料と同じ「米胚芽抽出物」が使用されている製品についてヒトで長期の摂取試験がなされており、因果関係が認められるような有害事象は発生しなかった。
本品の機能性関与成分を含む原材料である「米胚芽抽出物」について以下の安全性試験が実施されている。
(1)急性毒性試験 ラットを用いた単回強制経口投与における米胚芽抽出物の最小致死量は、雌雄ともに2000 mg/kg 以上と考えられた。 (2)亜慢性毒性試験 米胚芽抽出物をラットに13 週間連続強制経口投与した際の無毒性量は、雌雄ともに1000 mg/kg以上と考えられた。 (3)遺伝毒性試験 1) 細菌を用いる復帰突然変異試験(in vitro試験)  米胚芽抽出物について、Salmonella typhimurium TA100、TA1535、TA98、TA1537 及びEscherichia coli WP2 uvrA を用い、5,000μg/plateを最高用量として復帰突然変異試験が実施されており、結果は陰性であった。  2) ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(in vitro試験 ) 米胚芽抽出物について、チャイニーズ・ハムスター肺線維芽細胞株を用い、5,000μg/mLを最高用量として短時間処理法及び連続処理法が実施されており、結果は陰性であった。 (4) 過剰摂取試験 米胚芽抽出物のヒトへの安全性を評価するために過剰摂取試験[1日摂取目安量の約5倍量相当(グルコシルセラミドとして10mg/日)を4週間継続摂取]を健常な日本人男女を対象に行った。その結果、米胚芽抽出物摂取期間中、およびその後観察期間においても、本品摂取と因果関係があると思われる有害事象の発生は認められなかった。
3.医薬品との相互作用  文献調査を行った結果、医薬品との相互作用に関する報告はなかった。
4.まとめ  米胚芽抽出物は、基本的な安全性に懸念はないと考えられた。その他の原料に関しては十分な食経験を有する原材料から構成されるため、適切に摂取する上で安全性に懸念はないと考えられる。
【摂取する上での注意事項】
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
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【生産・製造・品質管理に関する基本情報】
製造工場:第一薬品工業株式会社                       
医薬品製造業、医薬部外品製造業、清涼飲料水製造業の許可を取得し、医薬品GMPに準じ、第一薬品工業株式会社の「GMP基準」「規格管理運用基準」「実施手順書」に則り管理・運営を実施している。
【機能性の評価方法】
最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
【届出者の評価】
(ア) 標題
米由来グルコシルセラミド経口摂取が肌のバリア機能(保湿力)に与える影響について
(イ) 目的
肌の乾燥が気になる健常者が米由来グルコシルセラミドを経口摂取することにより、プラセボの経口摂取と比較して、肌の保湿力が高まるか否かを検証することを目的として研究レビューを実施した。
(ウ) 背景
セラミドは皮膚の保湿バリア機能を果たす角質層の細胞間脂質の主成分である。セラミドは加齢とともに含有量が低下し、乾燥肌、肌荒れなどの原因になることが知られている1)。セラミドの一種である米由来グルコシルセラミドについても保湿作用が期待されるが、米由来グルコシルセラミドのみを対象とした保湿作用に関する研究レビューは確認できなかった。
(エ) レビュー対象とした研究の特性
レビュー対象とした研究は、乾燥などによる肌荒れを自覚している健常な男女133名を対象として、米由来グルコシルセラミドまたはプラセボを12週間経口摂取することによる、肌の角層から蒸発する水分量(経表皮水分蒸散量:TEWL)の変化を評価した日本で実施された無作為化プラセボ対照試験であった。
(オ) 主な結果
英語文献データベースと日本語文献データベースを2017年12月22日にエーザイ株式会社社員2名で検索し、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患のない肌の乾燥が気になる健常者が、米由来グルコシルセラミドを経口摂取することにより、プラセボ摂取に比べ肌の保湿力が高まるかを検証した無作為化プラセボ対照比較試験(RCT)を選択した。
文献検索により1つの文献(研究)2)が抽出された。本研究において、乾燥などによる肌荒れを自覚している健常者に、米由来グルコシルセラミド1.8 mgを含む米胚芽エキスを配合した粉末顆粒またはそのプラセボを1日1回12週間経口摂取させた。肌の保湿力を評価するために測定した肌の角層から蒸発する水分量(経表皮水分蒸散量:TEWL)が、米由来グルコシルセラミド摂取群ではプラセボ摂取群に比較して、上背部、肘部及び頬部では摂取4、8及び12週目に、頸部では摂取4及び12週目に、足背部では摂取8週目に有意な低下(改善)が認められた。
(カ) 科学的根拠の質
本研究レビューの結果、乾燥などによる肌荒れを自覚している健常者が米由来グルコシルセラミドを経口摂取すると、全身の皮膚の経表皮水分蒸散量が低下することが示された。経表皮水分蒸散量は皮膚から体外へ蒸散する水分量であることから、米由来グルコシルセラミドには、肌のバリア機能(保湿力)を高める機能があると言える。
ただし、本研究には以下の限界も存在する。
・レビュー対象とした研究は1報のみであった。今後、複数の研究において検証がなされる必要がある。
・摂取期間が12週間であった。さらに長期間摂取した場合の影響については不明である。
・レビュー対象とした研究1報は、信頼性の高いプラセボ対照のRCTであったが、試験途中での症例減少、研究実施計画の事前未登録、製品メーカー関連者が著者に含まれ利益相反のバイアスリスクがある。

参考文献
1) Imokawa G et al., Decreased level of ceramides in stratum corneum of atopic dermatitis: an etiologic factor in atopic dry skin? J Invest Dermatol 1991;96(4): 523-526
2) 平河聡 他 米胚芽エキス配合粉末顆粒の摂取による全身の皮膚バリア機能に対する改善効果 薬理と臨床 2013;41:1051-1059


機能性表示食品は、平成27年度から始まった制度です。

ギンコロンプレミアム(株式会社常磐植物化学研究所)の口コミ・効果とエビデンス:機能性表示食品


株式会社常磐植物化学研究所(法人番号:4040001046976)が消費者庁に届出た機能性表示食品【ギンコロンプレミアム】の届出番号・届出日・届出者名・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・会社の評判・成分の評判・表示しようとする機能性・当該製品が想定する主な対象者・安全性の評価方法・安全性に関する届出者の評価・摂取する上での注意事項・生産・製造及び品質管理に関する基本情報・機能性の評価方法・製品の機能性に関する届出者の評価を紹介します。
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平成30年度一覧
平成29年度一覧
平成28年度届出
B1-B50 B51-B100 B101-B150 B151-B200 B201-B250 B251-B300 B301-B400 B401-B500 B501-B600 B601-B620
平成27年度届出
A1-A50  A51-A100 A101-A150 A151-A200 A201-A250 A251-A300 A301-A310

【届出番号】
D49
【届出日】
2018/06/27
【届出者名】
株式会社常磐植物化学研究所
株式会社常磐植物化学研究所の商品一覧楽天市場
【商品名】
ギンコロンプレミアム
ギンコロンプレミアム楽天市場
【食品の区分】
加工食品(サプリメント形状)
【機能性関与成分名】
イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトン
イチョウ葉由来フラボノイド配糖体を含む商品一覧楽天市場

イチョウ葉由来テルペンラクトンを含む商品一覧
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【表示しようとする機能性】
本品にはイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンが含まれます。イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンは、加齢によって低下した脳の血流を改善し、認知機能の一部である記憶力(日常生活で見聞きした言葉や図形などを覚え、思い出す力)を維持することが報告されています。
【想定する主な対象者】
健常高齢者
【安全性の評価方法】
既存情報による食経験の評価により、十分な安全性を確認している。
【安全性に関する届出者の評価】
下記の(ア)、(イ)及び(ウ)の情報により、本届出商品を一日摂取目安量あたりイチョウ葉由来フラボノイド配糖体 28.8mg、イチョウ葉由来テルペンラクトン 7.2mg含有する機能性表示食品として販売することは適切であると考えられた。

(ア)喫食実績による食経験の評価
本届出商品は機能性関与成分であるイチョウ葉由来フラボノイド配糖体 及び イチョウ葉由来テルペンラクトンをそれぞれ一日摂取目安量あたり28.8mg、7.2mg含むソフトカプセルである。
商品A(イチョウ葉由来フラボノイド配糖体28.8㎎/日、イチョウ葉由来テルペンラクトン7.2㎎/日)は日本国内にて2014年から販売され、400万食以上の販売実績があるが、これまでの販売期間において、機能性関与成分に起因し、安全性が懸念されるような重篤な健康被害は報告されていない。
(イ)既存情報を用いた評価および既存情報による安全性試験の評価
本届出商品に配合されるイチョウ葉抽出物(イチョウ葉由来フラボノイド配糖体24%、イチョウ葉由来テルペンラクトン6%、ギンコール酸1 ppm以下)と同等の規格を有する抽出物を摂取した際の安全性について、データベースで確認した結果、適切な量の経口摂取であれば安全であると考えられる。
一日摂取目安量は「イチョウ葉エキス食品品質規格基準」((公財)日本健康・栄養食品協会)で規定されている60~240 mg/日(イチョウ葉抽出物として)の範囲内に設定し、上記のデータベースで得られた結果と合わせて、適切に用いれば安全性に問題は無いと考えられる。
(ウ)医薬品との相互作用に関する評価
疾病に罹患している方が使用する医薬品について相互作用の可能性が報告されているが、本届出商品が摂取の対象としているのは健常者であり、健康被害のリスクは低いと考える。また、本商品パッケージに「てんかんの発作歴がある方やてんかんの方、ワルファリンや抗血液凝固薬など出血傾向を高める薬を服用中の方は、摂取をお控えください。」と記載し、リスクを減らす対策を講じている。このため、医薬品を服用していない健常者が適切に摂取する場合、安全上問題ないと考えられる。
【摂取する上での注意事項】
多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日摂取目安量を守ってください。てんかんの発作歴がある方やてんかんの方、ワルファリンや抗血液凝固薬など出血傾向を高める薬を服用中の方は、摂取をお控えください。
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【生産・製造・品質管理に関する基本情報】
本届出商品の製造所である株式会社三協 日の出工場は、公益財団法人日本健康・栄養食品協会の健康食品GMPの認定を取得しており、そのGMP基準に準拠して生産・製造及び品質管理を行っている。
【機能性の評価方法】
最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
【届出者の評価】
(ア)標題
イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンの研究レビュー

(イ)目的
健常高齢者がイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンを連続摂取した際に、対照群または摂取前と比べた場合の記憶力に対する有効性を検証する目的で研究レビューを実施した。

(ウ)背景
記憶力を維持できる機能性表示食品は、高齢者の健康・QOLを向上させ、高齢化社会に貢献することが期待される。健常高齢者を対象としたイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンの記憶力に対する有効性に関しては複数の原著論文が報告されているが、総合的に評価した研究レビューはないため、本レビューにて検証した。

(エ)レビュー対象とした研究の特性
イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンの連続摂取による記憶に関する無作為化コントロール試験について、健常高齢者を対象とし、利益相反情報が認められなかった論文2報を採用した。

(オ)主な結果
健常高齢者がイチョウ葉由来フラボノイド配糖体19.2~28.8mg/日、イチョウ葉由来テルペンラクトン4.88~7.2mg/日を摂取する場合、重大な有害事象もなく、加齢によって低下した脳の血流を改善し、見聞きした名前・単語・言葉・図形に対する記憶力を維持することが示された。

(カ)科学的根拠の質
対象論文はいずれもイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンの摂取による記憶力に対する有効性を示した。
対象論文はいずれも欧米人に対するものであったが、作用機序の脳の血流改善が日本人および中国人においても確認されていることから、日本人への外挿は可能と考えられる。
対象論文の被験者は健常高齢者であり、本届出商品の想定対象者と一致している。また、本届出商品のイチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンの一日摂取目安量は研究レビューの結果に従い設定しており、同様のアウトカムを得られることが期待される。
本研究レビューは、日本語と英語の論文のみが対象であることから、網羅性および出版バイアスの可能性は否定できない。また、採用文献はいずれも日本人を主な対象としたものではなかった。これらは本研究レビューの限界と考えられる。


機能性表示食品は、平成27年度から始まった制度です。

2018年8月18日土曜日

美食家の知恵プレーン(クラシエフーズ株式会社)の口コミ・効果とエビデンス:機能性表示食品


クラシエフーズ株式会社(法人番号:1010401038257)が消費者庁に届出た機能性表示食品【美食家の知恵 プレーン】の届出番号・届出日・届出者名・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・会社の評判・成分の評判・表示しようとする機能性・当該製品が想定する主な対象者・安全性の評価方法・安全性に関する届出者の評価・摂取する上での注意事項・生産・製造及び品質管理に関する基本情報・機能性の評価方法・製品の機能性に関する届出者の評価を紹介します。
目 次
平成30年度一覧
平成29年度一覧
平成28年度届出
B1-B50 B51-B100 B101-B150 B151-B200 B201-B250 B251-B300 B301-B400 B401-B500 B501-B600 B601-B620
平成27年度届出
A1-A50  A51-A100 A101-A150 A151-A200 A201-A250 A251-A300 A301-A310

【届出番号】
D48
【届出日】
2018/06/22
【届出者名】
クラシエフーズ株式会社
クラシエフーズ株式会社の商品一覧楽天市場
【商品名】
美食家の知恵 プレーン
美食家の知恵 プレーン楽天市場
【食品の区分】
加工食品(その他)
【機能性関与成分名】
イヌリン
イヌリンを含む商品一覧楽天市場

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【表示しようとする機能性】
本品にはイヌリンが含まれています。イヌリンは血中中性脂肪を下げること、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが報告されています。さらに、イヌリンは善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで、お腹の調子を整えることが報告されています。本品は血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方に適した食品です。
【想定する主な対象者】
血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方
【安全性の評価方法】
既存情報による安全性試験結果の評価により、十分な安全性を確認している。
【安全性に関する届出者の評価】
①喫食実績による食経験の評価
当該食品は、機能性関与成分イヌリンを1袋当たり5.4g配合した粉末食品であり、一日摂取目安量は1袋(イヌリンとして5.4g)もしくは2袋(イヌリンとして10.8g)である。
当該食品の主原料であるイヌリン(製品名:Fuji FF)は累計3600t以上販売されており、イヌリン起因の健康被害の報告はなく、一日あたりイヌリンとして9gを摂取した喫食実績もある。しかしながら、当該食品を一日2袋(イヌリンとして10.8g)摂取した喫食実績はないため、当該食品の喫食実績による食経験の評価は不十分と判断した。
自然に分布するイヌリンおよび当該食品の主原料であるイヌリン(製品名:Fuji FF)は、フルクトース分子がβ(2-1)結合した重合度が2~60の範囲に入る直鎖状の重合物であり、同等なものと考えられる。
②既存情報を用いた安全性試験の評価
国立医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベースではイヌリンの8~14 g/日の摂取は8週間までは安全とされている。また、アメリカ食品衛生局のGRASでは40 g/日までのイヌリンの摂取は問題ないと評価されている。
したがって、当該製品の一日摂取目安量では人の健康を害するおそれはないと考えられる。
③安全性試験の実施
イヌリン(製品名:Fuji FF)において、微生物を用いた変異原性試験は陰性だった。また、ラットを用いた単回経口投与及び90日間反復投与毒性試験では死亡例や異常がなかった。さらに、イヌリン(製品名:Fuji FF)25 g/日を4週間摂取させた臨床試験でも臨床上問題となる有害事象はなかった。
④イヌリンのアレルギーに関する評価
 国立医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベース等でイヌリンのアレルギー性に関する記載があり、原料由来のたんぱく質の関与が示唆されている。当該製品では、原料であるイヌリン(製品名:Fuji FF)はアレルゲンフリーである砂糖から製造しているため、アレルギー反応が生じる可能性は極めて低いと考えられる。
⑤医薬品との相互作用に関する評価
 国立医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベースで、イヌリン摂取によるカルシウムの吸収促進が示唆されている。カルシウムは厚生労働省の食事摂取基準で耐用上限量が定められているため、カルシウムの過剰摂取につながる可能性を検討したが、耐容上限量を上回るカルシウムの吸収量増加は起こらないと考えられる。
【摂取する上での注意事項】
本品は多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。また、摂り過ぎ、あるいは体質・体調により、お腹が張ったり、ゆるくなる可能性があります。血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方それぞれの一日摂取目安量を守ってお召し上がりください。
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【生産・製造・品質管理に関する基本情報】
当該製品は国内GMPを取得している工場で製造される。
【機能性の評価方法】
最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
【届出者の評価】
当該製品の機能性に関する評価を以下の通り実施した。
(1)イヌリンの血中中性脂肪を下げる機能について
ア)標題
 イヌリンの血中中性脂肪低下作用に関する研究レビュー(定性的レビュー)
イ)目的
 イヌリンを含む食品を、疾病に罹患していない者または血中中性脂肪値がやや高めの者が摂取することにより、血中中性脂肪値を下げるかを明らかにする。
ウ)背景
 イヌリンの血中中性脂肪低下作用については、15報の文献を対象にメタ解析が実施され、血中中性脂肪値の有意な減少が報告されている。しかし、このメタ解析には疾病罹患者を対象とした試験などが含まれていたため、新たに研究レビューを行った。
エ)レビュー対象とした研究の特性
 『PubMed』『CENTRAL』『医中誌Web』をデータベースとして文献検索を2017年2月に実施した。検索対象期間は制限せず、言語は英語および日本語とし、対象集団は疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)または血中中性脂肪値がやや高め(150~199 mg/dL)の者とし、イヌリンを含む食品の摂取による血中中性脂肪値の変化を検討した介入試験を対象に、静岡県産業振興財団フーズサイエンスセンター、フジ日本精糖株式会社、静岡県立大学との共同研究により研究レビューを行った。正常血中中性脂肪値を示す被験者のみを対象とした文献も別途定性評価した。
オ)主な結果
 抽出された6報の文献を用いて定性的レビューを行った結果、6報中4報の論文が肯定的であった。正常な血中中性脂肪値を示す被験者のみを対象とした文献は6報中4報で、内2報で正常範囲内で有意な血中中性脂肪低下作用を示し、その他2報では血中中性脂肪値の低下は認められなかった。このことより、正常血中中性脂肪値を示す者がイヌリンを摂取した場合、血中中性脂肪値は正常範囲内に維持されると判断された。
カ)科学的根拠の質
 研究デザインの質を評価したところ、6報中4報は研究の質が最も高いレベルと判断した。研究の限界に関して、評価した6文献はいずれも外国人を対象としているが、他の論文と同様の成績であり、日本人への外挿性は問題ないと考えられた。これらから、本研究レビューの科学的根拠の質は確保されていると判断した。
 以上、本研究レビューの結果から、イヌリンの血中中性脂肪低下作用には科学的根拠があると判断した。

(2)イヌリンの食後の血糖値の上昇をゆるやかにする機能について
ア)標題
 イヌリンの食後血糖値上昇抑制作用に関する研究レビュー(定性的レビュー)
イ)目的
 イヌリンを含む食品を、疾病に罹患していない者または空腹時血糖値が境界型の者が単回経口摂取することにより、食後血糖値の上昇をゆるやかにするかを明らかにする。
ウ)背景
 イヌリンは穀物、野菜、果物などに多く含まれることが知られている。イヌリンの生理機能性に関しては様々な報告があり、単回経口摂取による食後血糖値の上昇抑制作用についても多数、論文化されている。しかしながら、イヌリンの当該効果に関するシステマティックレビューの報告は確認できなかった。そこで、今回新たに研究レビューを実施した。
エ)レビュー対象とした研究の特性
 『PubMed』『CENTRAL』『医中誌Web』をデータベースとして用い文献検索を2017年1月に実施した。検索対象期間は制限せず、言語は英語および日本語とし、対象集団は疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)または空腹時血糖値が境界型(空腹時血糖値110~125 mg/dL)の者とし、イヌリンを含む食品の単回経口摂取による食後血糖値の上昇抑制作用を検討した介入試験を対象にして、研究レビューを実施した。なお、静岡県産業振興財団 フーズサイエンスセンター、フジ日本精糖株式会社、静岡県立大学との共同研究により実施した。
オ)主な結果
 抽出された3報の文献を用いて定性的レビューを行った結果、すべての論文が肯定的であった。その際のイヌリン摂取量は5.2~10.8 gであった。また、これら3報は正常血糖値者を対象とした試験で、上記食後血糖上昇抑制効果は正常血糖値範囲内であったことより、血糖値正常者がイヌリンを摂取した場合には血糖値は正常範囲内に維持されるものと考えられる。
カ)科学的根拠の質
 研究デザインの質を評価したところ、3報全てが研究の質が最も高いレベルと判断した。研究の限界に関しては、評価した3報のいずれも小規模の試験であることや出版バイアスなどについて研究の限界が考えられるものの、その他の要因を含め、重大な影響ではないと判断した。これらのことから、本研究レビューの科学的根拠の質は確保されていると判断した。
以上、本研究レビューの結果から、イヌリンの食後血糖値上昇抑制作用には科学的根拠があると判断した。

(3)イヌリンの善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで、お腹の調子を整える機能について
ア)標題
 イヌリンの整腸効果に関する研究レビュー(定性的レビュー)
イ)目的
 イヌリンの整腸効果について明らかにする。
ウ)背景
 イヌリンは腸内でビフィズス菌を増やして腸内フローラを良好に保つことが知られている。しかし、イヌリンのみを摂取したときの整腸効果に関する多くの研究をまとめたものがなく、本研究レビューを行った。
エ)レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年8月10日(PubMed、医中誌)、2015年8月11日(CENTRAL)
検索対象期間:全期間(2015年まで)
対象集団の特性:健常者(未成年者、妊産婦、授乳婦を除く)および疾病に罹患していない者
最終的に評価した論文数:17報 
本研究レビューは静岡県産業振興財団 フーズサイエンスセンター、フジ日本精糖株式会社、静岡県立大学との共同研究により行った。
オ)主な結果
 イヌリンの整腸効果については、糞便中ビフィズス菌数に関しては14報18試験のうち15試験で有意に増加し、2試験で増加傾向、1試験で減少傾向であった。糞便中乳酸菌数に関しては9報13試験のうち5試験で有意に増加し、4試験で増加傾向、4試験で減少傾向または差なしであった。排便回数に関しては7報10試験のうち2試験で排便回数が有意に増加し、4試験で増加傾向、4試験で減少傾向または差なしであった。排便量に関しては6報7試験のうち2試験で排便量が有意に増加し、4試験で増加傾向、1試験で減少傾向であった。
カ)科学的根拠の質
 評価した全ての論文の試験方法等が、整腸効果を調査する目的に適合していた。正確性の観点から研究デザインの質を評価したところ、最も質が高いレベルと判断できた論文は17報中11報であった。採用された論文において、試験デザインや結果の妥当性、各研究間の一貫性等を検討した結果、大きな問題はなく、科学的根拠の質は高いと評価された。なお、日本人を対象とした論文は1報しかなかったが、他の論文と同様の成績であり、日本人への外挿性に関しては問題ないと考えられる。これらのことから、今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した。
以上、本研究レビューの結果から、イヌリンの整腸効果について科学的根拠があると判断した。


機能性表示食品は、平成27年度から始まった制度です。